学習コーナー
慢性疲労 [貴方の病気のタイプ]
4-2 陰虚による虚労②
2) 肺陰虚タイプの虚労
①主な原因
熱性の疾患により陰液が消耗し、それが長引くと陰虚になります。通常は治療により回復するのですが、回復時の調整不足で慢性疲労状態に陥ると、陰虚タイプの虚労になります。熱性病の中でも呼吸器を傷害するような疾患(例えばウイルス性疾患)の場合は、消耗が肺に偏って現れるので、肺陰虚タイプの虚労が出現しやすくなります。但し、熱性病にかかると誰もがこのタイプの虚労になるわけではなく、体質的に痩せ型で元々陰虚ぎみの体質の人に起こりやすいことも知っておきましょう。また、この陰虚ぎみの体質の人が、長期に渡る呼吸器障害を経て慢性疲労状態に陥っても、このタイプの虚労になります。
このタイプの中には、病状が進展して肺気虚を伴うようになることがあり、これによっても「気陰両虚」(肺気虚による虚労でも紹介済み)が現れますので、注意が必要です。
②主な症候
このタイプになると、肺陰(肺を潤している津液)の消耗によって現れる症候と、陰虚体質に共通する症候とが見られるようになります。
肺陰の消耗によって現れる症候には、乾いた音のカラ咳(痰は少ない咳)・鼻や咽の乾燥・皮膚のかさつきなどがあります。
陰虚体質に共通する症候については、手のひらや足の裏のほてり・頬の赤み・寝汗など、心陰虚タイプの虚労で紹介したものを参照して下さい。
これ以外に、気陰両虚になっている人の場合には、疲労倦怠感・息切れ・自汗(ちょっと動いただけでも汗ばむ)などといった気虚の症状も同時に見られるようになります。
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