学習コーナー
慢性疲労 [貴方の病気のタイプ]
5-3 陽虚による虚労③
3) 腎陽虚タイプの虚労
①主な原因
このタイプの虚労の原因は、腎気虚タイプの虚労(「気虚による虚労④」を参照)の場合と同じで、生まれつきの虚弱体質(先天的な精気の不足)や加齢による衰えがあります。両者の違いは、体質的に冷え症(陽虚体質)があるかどうかと、発症のときに冷えてしまったかどうかによります。また、最初は腎気虚タイプの虚労になっていた人が、冷えを伴うようになってこのタイプに発展する場合もあります。
このほか、1)と2)で紹介した心陽虚タイプや脾陽虚タイプの虚労は、治らないうちに年齢を重ねると、陽気の消耗が腎にも及ぶため、心陽虚に腎陽虚を伴う「心腎陽虚」や、脾陽虚に腎陽虚を伴う「脾腎陽虚」タイプに進んでしまう場合があります。
②主な症候
このタイプに見られる症状の特徴は、陽虚タイプに共通する冷え症状が特に下半身を中心に現れることです。これに腎機能の衰えに関連した冷え症状が加わり、どの症状も寒いと悪くなります。
下半身や腎機能の衰えに関連する冷え症状には、足腰が冷えて痛む・明け方に下痢をする(五更泄瀉)・インポテンツ(男性)・透明なおりものが多く出る(女性)・夜間頻尿や尿漏れ、または排尿困難などがあります。このほかの冷えの症状は、心陽虚タイプと共通で、顔面蒼白・手足の冷え・寒がり(畏寒)・温かい物を好んで飲食する・透明な小便が頻繁に出るなどです。
もし、腎気虚タイプからこのタイプに進んだ人などのように、気の消耗を伴う場合は、疲労倦怠感・やる気が出ない(乏力)・息切れ(気短)などの症状もみられます。
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