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慢性疲労 [貴方の病気のタイプ]


5-2 陽虚による虚労②

2) 脾陽虚タイプの虚労

①主な原因

このタイプの虚労の原因には、生ものや冷たい飲食物の過剰摂取と、脾陽の働きの低下とがあります。

一般に、生ものや冷たい飲食物に偏った食事を習慣的に摂り続けていると、胃腸が慢性的に冷えて徐々に消化吸収が悪くなります。こうしたところに、さらに冷たい物を過剰に摂って下痢などを起こしてしまうと、中にはなかなか回復できないばかりか、全身的な疲労状態を伴うようになってしまう人がいて、これを脾陽虚タイプの虚労といいます。

また、元々胃腸が弱く、すでに脾気虚タイプの虚労状態にある人が、生ものや冷たい飲食物を摂ると、脾気を温める作用を持つ「脾陽」に冷えが及んで、このタイプの虚労に発展することがあります。

 

このほか、このタイプの人の中には、加齢が進むにつれて下半身の冷えも強くなってくる人がいます。これを「脾腎陽虚」といいますが、これについては後の「腎陽虚タイプの虚労」で詳しく説明します。

 

②主な症候

このタイプに見られる症状には、胃腸を中心とした全身的な冷え症状に加えて、脾の機能低下で現れる症状、および気の消耗で現れる症状が含まれます。また、どの症状も冷えると悪くなるという特徴をもっています。

胃腸の冷え症状には、お腹が冷えて触ると冷たい・下痢すると水様便になる・胃部や胃の裏(背中)が冷えて痛むなどがあります。冷えによる全身的な症状は、心陽虚タイプと共通で、顔面蒼白・手足の冷え・寒がり(畏寒)・温かい物を好んで飲食する・透明な小便が頻繁に出るなどです。

脾の機能の低下による症状と気の消耗で現れる症状は、「脾気虚タイプの虚労」のところと同様で、食欲の減退・食後の胃もたれ・軟便で下痢しやすい・身体が重く感じる・浮腫みやすい・疲労倦怠感・やる気が出ない(乏力)・息切れ(気短)・ちょっと動いただけでも汗ばむ(自汗)などです。

 

 

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