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婦人科疾患 [貴方の病気のタイプ]


2-3 月経不順③

3) 経乱(月経が早まったり遅れたりする不順)

経乱は、前回までに紹介した経早や経遅に比べるとあまり多くは見られません。経乱も実証と虚証とに分けられますが、実証に属すものは、ストレスや緊張が原因する「肝鬱タイプ」です。この肝鬱タイプというのは、経早にも経遅にも見られます。どうしてかというと、肝鬱によって気が滞ると子宮に運ばれる気血が滞るため、子宮に血液が満ちるのに時間がかかって月経が遅れるようになりますが、気の鬱積が熱化すると、逆に出血傾向になるため月経が早まります。しかしまれにこの2つが交互に起こる人がいて、こういう人は早まったり遅れたりして経乱になるのです。

経乱の虚証は、子宮に補給される血液の源が少ないため溜まるのに時間がかかる反面、子宮に血液を溜めて漏れないようにする力も不足していて、時に溜まりきらない早い段階で流れ落ちたりすることもあるので、早くなったり遅くなったりします。一般に出血の量が少なく、色も淡いのが虚証の特徴です。これには先天的なもの(腎虚タイプ)と後天的なもの(脾虚タイプ)とがあります。腎虚タイプでは腎精から血を作る機能の不足と、「封蔵」という貯蔵の機能が不足して起こります。脾虚タイプでは水穀精微(食物の栄養分)から血を作る「生血」という機能の不足と、血管から血液を漏らさない「統血」という機能が不足して起こります。

個々のタイプの特徴は次の通りですので、自分のタイプを見分けて予防や対処につなげて下さい。

 

肝鬱タイプ:経早や経遅の場合と同様に、ストレスや緊張で誘発されるタイプです。特徴的な症状には、下腹部が張って痛む・生理前に乳房が張ったりイライラしたりする、などが見られます。(そのほかの症状については、基礎知識の「肝胆の病証タイプ」を参照)

 

腎虚タイプ:虚証タイプの人で、生理に合わせて腰がだるくなる・普段から疲労は下半身を中心に感じやすい、という特徴がある場合はこちらのタイプです。(そのほかの症状については、基礎知識の「腎膀胱の病証タイプ」を参照)

 

脾虚タイプ:虚証タイプの人で、生理の出血に合わせて下腹部が下に落ち込んだように力が入らない・普段から疲れやすく全身的に倦怠を感じる・胃腸が弱く食欲が落ちやすい、という特徴がある場合はこちらのタイプです。(そのほかの症状については、基礎知識の「脾胃の病証タイプ」を参照)

  

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